shoko-旅の日記

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旧八幡郵便局~滋賀県~

滋賀県近江八幡に建つ「旧八幡郵便局」
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正面玄関回りの改築などで原形を失っているものの、部分的に残る装飾が印象的な建物です

屋根は瓦ぶき

スパニッシュと和風を折衷したもので、近江八幡の古い町並みに溶け込んでいます


一階のドアノブ
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紫クリスタル風のガラス


2階は主に電話の交換室だったそうです
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ヴォーリズ建築と言えば「学校建築」「キリスト教会堂」「住宅」と数多くありますが、共通する空間の持ち味があります

「住宅」のような空間です


ヴォーリズの建築は独自の造形世界を持った建物ではありません


「健康のための建築」


これが彼の建築です


特徴は
・空間の柔らかさ
・温もり
・居心地のよさ

快適で健康を守るによい能率的な建物を追及しています


1880年アメリカで生まれたヴォーリズは幼少期、健康に恵まれず一家でアリゾナ州グランドキャニオン近くにある高原の町へ移住します

彼は大自然の中で健康を取り戻しますが、日本での生活と近江八幡の教員生活に健康を脅かされ、療養の為に2度帰国


ヴォーリズにとって健康を維持することは切実な問題だった事でしょう

「家と健康とには密接な関係がある」

この言葉は彼の体験から来ていたのですね


これからマイホームを建てる方々

健康的なお家を建てましょう


旧八幡郵便局の室内
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公共施設でありながら、暖かみのある空間です


2月に訪れたのでお雛様も飾られていました
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日本で建築活動を続けるヴォーリズですが、時代は日米戦争、第二次世界大戦へ向かいます


アメリカ人の友人が次々帰国するなかで、ヴォーリズは妻「満喜子」の実家「一柳家」へ入籍


一柳米来留(ひとつやなぎめれる)に改名し日本に帰化します

戦時中は軽井沢にこもり、戦後事業の再始動を見届けるも視力を失い1964年に他界


戦時中の日本

帰化したとは言え、アメリカ生まれのヴォーリズがどのような心境で生活していたのか

祖国からの空爆

日本人からの眼差し

このあたりが気になるので彼の「失敗者の自叙伝」を読んでみたいです


せっかくなので紹介を
ヴォーリズ唯一のレストラン建築が京都にあります

日本で最古のエレベーターを所有するレストラン
「東華菜館」
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東華菜館について
http://shoko-tabinikki.hatenablog.com/entry/2018/02/18/204942


最後に

近江八幡のクラブハリエ本店近くでヴォーリズの像をみつけました
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女の子が手に持つ花は生花です

今も町の人々に愛されているのですね

二人の像からヴォーリズの人柄が伝わってくるようです



機会があればまた訪れたい町でした


おしまい






近江八幡
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